白崎尋臣 (CV.海堂秋人)
矯正装置のワイヤーのせいで口の中がボロボロだ。
白崎尋臣というCDの話をします。
白崎尋臣(CV.海堂秋人)
キャラ名がまんまタイトルになってるCDヤバくない!?!?
買う前にジャケット絵を見ながら(この男、警察官の制服着てるけど絶対に職務を全うしないタイプのやつだな……)と思ってました。
Twitterからの情報やジャケットの色合い、公式サイトのあらすじから完全にヤバいCDだと覚悟を決めてましが想像以上でしたね。あめとりぃぬ様はとんでもないCDをこの世に産み落としたなぁ……って感じです。
背景のどす黒い赤の不穏さが尋常ではない。
あらすじ(公式サイトから引用)
人暮らしのあなた。
仕事に疲れて、一人帰路に着く。夜道で会ったのは、毎日挨拶を交わす、
爽やかで人当たりの良い警察官の彼。けれど、真面目で優しい彼には、裏の顔があり……。
あらすじはめちゃくちゃシンプルです。
『裏の顔』自体はキャラ紹介から想像できるような……ヤバ男界隈ではよくある……って感じなのに、このCDめちゃくちゃ強いのであらすじで舐めてかからない方がいいかと思います。
改めてあらすじ読み返すとここまでシンプルなのが逆に怖いわ。
以下各トラックの感想などです。
〇トラック1 帰り道
出犬の鳴き声。警察官の白崎尋臣が独り言を呟いてる最中に、帰宅途中のヒロインと会うところから始まります。
ヒロインと世間話をしつつ、「警察官として、市民の安全を守るのが私のお仕事です」と夜道を1人で帰ろうとする彼女を送り届けようとする白崎。
警察官という職務を超えてヒロインの様子を心配していることが、帰り道の会話からも伝わります。爽やかで人当たりがいい感じを出していますが正直ちょっと胡散臭い。
自分は襲われたりしないと楽観的なヒロインに、白崎は「では、俺のような(筋肉のある小柄ではない)男に襲われたら?」「脅すための凶器を持っていたら?」と具体例を挙げて注意を促します。
ヒロインが襲われてしまう可能性と、襲われた時に脅され抵抗ができず合意だとみなされてしまう可能性、この2つを特に心配している白崎。
たしかに事件の証明は難しいし結果がよくないまま終わることも多いとは思いますが、それにしたって町の警察官がここまで心配するか……!?下心というか好意が隠しきれてないですね。
マンションに到着し、ヒロインが家に入るのを見届けて2人は別れます。
別れた後、白崎が「今夜は月が明るいなぁ」と独り言を呟いてこのトラックは終わりです。
正直この後の展開を知っていると、このトラックでの白崎の言動が全部あやしく思えてきて仕方ないですね……何から何まで胡散臭い。
〇トラック2 招かれざる客
トラック名からしてもう完全にそういうことでしょ。さっき別れたはずの白崎尋臣がヒロインの自宅に侵入してきます。いや「ただいま~……なぁんて」とかそんな冗談はいいから。
古い型であるヒロイン宅のカギを俺が取り換えてあげよう、と1人で盛り上がる白崎ですが、勝手に変えたらヒロインが家に入れなくなって困るんじゃないかな……?
玄関先が騒がしいのに気づいたのか、まだ起きていたヒロインが白崎とエンカウント。
いきなりの不法侵入に動揺するヒロインとは対照的に、「俺達は両想いでしょ?」(両想いではない)「彼氏が彼女の心配して、何がおかしいのかな?」(付き合ってない)といたって普通に返す白崎。挙句「こんな状態で君に触れたりしたら、理性ぶっ飛びそうだもん」と超理論を展開してきます。
ここのシーン、桁違いの意思疎通の図れなさなので聞いてほしいですね。実際は『町の住民と警察官』それだけの関係なのに、白崎の中では『愛し合ってる恋人同士』になってるのが怖いよ……おそらく何を言っても白崎理論で返される。
1人でどんどん話を展開させていく白崎、ヒロインの話を聞いてほしいです。
最終的に銃と言葉で脅されセックスまで持ち込まれてしまいます。ここ、白崎本人に脅している自覚があるのかないのかよくわからないところが死ぬほど怖いと思いました。
「俺が側にいるんだから。怖いことなんてないよ」じゃなくて、君がそばに居るからヒロインは怖いんだと思うな……
脱ぐことを嫌がるヒロインに脅しをかけるときも、自分の欲望が抑えられないだけなのに、あくまで『新しい服を破かれるのは嫌だろうから』とヒロインのことを思っているかのように話をしているのが怖いです。
服を脱ぐことが嫌=焦らしプレイだと思ってることも、ちょくちょく『和姦です』(和姦ではない)みたいな雰囲気を出してくるのも、話が通じない恐怖感を覚えます。
ちょっと文章じゃ表現できないくらい白崎理論はぶっ飛んでるので、興味のある方は実際に聞いてみてほしい……私は想像の100倍くらいコミュニケーションがとれなかったです。
〇トラック3 あなたしか見えない
「今日はゆっくりできないからなぁ」と言いつつ3トラックにまたがって1回のセックスをする男、白崎尋臣。
とにかく『君を傷つけたいわけじゃない』『大切にする』と言ってきますが、強姦である時点で何を言っても無駄なんだよなぁ。
女性は気持ちいいとき以外に防衛本能で濡れることもある、と話をする白崎。このタイミングでその話をするの、わかってやってるのか無意識なのかがわからず怖いです。
話し終わった後、「こんな話しちゃったら、まるで俺が君を犯してるみたいになるか」と冗談っぽく笑いますが、『みたい』じゃなくて実際にそうなのにな……
ヒロインのどんな反応も好意的に捉える白崎に、めちゃくちゃ恐怖を覚えました。
前戯はわりと実況してくる感じのタイプです。終始ずっと自分の世界で喋ってますね。
「上は脱ぐとすぐパトロールに戻れないから、下だけにしようかなぁ」と白崎が服を脱いだところでこのトラックは終わりです。
なんていうか、パトロール中に強姦するな。
〇トラック4 あなたしか見えない
当たり前のようにゴムを着けず挿入する白崎。いやここだけゴム着けるとか妙に理性的な行動をとられてもアレですが。
「子どもができたら、結婚が早まるだけだし」と、まだ付き合ってもいないのに結婚を前提とした返しをしてきます。
基本的には『君を気持ちよくさせたい』という姿勢の白崎ですが、都合が悪くなると途端に自分の欲望を押し通そうとしてくるのが怖いです。
最中もわりと喋って(というか話しかけて)ます。改めて聞くと擬音語も多い気がする。個人的には最中の「子宮かなぁ?っふふ」のセリフが気持ち悪くて最高でした。興奮してるときの笑い方も狂気じみてて好きです。
白崎のセックス、物理で押し切るような感じがします。ところどころ「オラッ!」とか言うし。警察官だから筋肉があるんですかね……
終盤、嫌がるヒロインに対しての「暴れても出すけどぉ!!」というセリフは本当に声音が凶悪なので聞いてほしいです。何が何でも出してやるという強い意志を感じさせますよ。
事後、普通の彼氏のように「ねぇ……気持ちよかった?」と聞き、ヒロインの反応を全て好意的に捉えて話を続けていく白崎。お前はそういうやつだな。
着替えるために抜いた後、中から自分のが出てきたら「見せて見せて!」とテンション高く楽しそうに聞いてくる白崎が、本当に気持ち悪くて好きです。
後処理の最中も、爽やかにテンション高くトラック1の世間話と同じノリで気持ち悪いことを言うので逆に楽しくなってきました。
あと最後に小声で「このティッシュ、記念に持って帰ろ」とかも言うので……最初から最後まで白崎は自分の世界で生きてるな、と思います。
〇トラック5 パトロール再開
「戻る時間にセットしておいた」という白崎のアラームでヒロインが目を覚まします。
パトロールをサボってヒロインのことを襲っていた白崎、職務怠慢どころの話ではない。「このまま朝まで一緒にいたいけど……さすがに(戻らないと)怒られちゃうからさ」と言いますがそれ以前の問題がたくさんあると思います。
「仕事終わったら来るから、それまでいい子にしててね」と当然のように次の約束を取り付ける白崎。「これで、俺が満足するなんて思わないでね?」と続けた後、「俺は君のことずーっと見てるから、変なことしようとしたらきつく縛って閉じ込めちゃうから」と脅迫してきます。ヒロインの逃げ場がない……
最悪の場合は君を殺してしまうかもしれない、とまで言われたら何も行動できなくなりますよね。
家を出る前の白崎のセリフ、ヒロインに対する愛や異常なほどの執着、独占欲がつまっててすごく好きです。落ち着いた声音でおかしいことを言うので、余計に恐怖を感じさせます。
白崎が「俺が側にいる。ずっと……ずーっと、ね」と呟いて家から出ていき、お話が終わります。
感想文ほとんど『怖い』しか書いてない気がしますが、本当に白崎は常軌を逸しているし話ができないので怖いとしか言えないんですよ。そこが好きです。
いや、ほんとこの作品はとんでもなく素敵なヤバ男CDだなぁ……
ヒロインにはかわいそうだけど、正直結婚生活とか同棲生活を描いた続編がめちゃくちゃほしいです。白崎尋臣には白崎尋臣しか持ってない良さがあるので、興味のある方は実際に聞いて良さを体感してほしいと思います。文面では伝えられないヤバさがある。
白崎尋臣、「話の通じない激ヤバ警察官に理不尽かつ一方的に愛されたい人」にオススメです。